男性の不妊に年齢が関係するの?精子を老化させない生活習慣とは?!
加齢で老化するのは卵子だけじゃない
「男性の精子は毎日精巣で作られるから老化しない」。昔はそんなことが信じられていましたが、現在では実は男性も加齢に伴って精子の量や精子濃度などが減少していくことがわかっています。つまり、精子も卵子同様老化し、不妊につながっていくのです。精子老化のリスク年齢は、平均すると35歳もしくは40歳が境目になります。あくまでも平均した場合なので実際には個人によって大きく違いがありますが、男性も「35歳以上は高齢出産になる」という意識は持っておいた方がいいでしょう。
2013年に行われた調査(Fertil Steril. 2013 Oct;100(4):952-8)では、5018人の精液を調査したところ、精子の数は35歳から毎年1.71%ずつ減少し、精子の奇形率は41歳から毎年0.84%ずつ増加、さらに44歳からは精子の運動率が落ちていくという結果が出ているのです。一方で、精子には老化するタイプとしないタイプがあり、人によって異なると言われています。

老化した精子は受精する能力も低い?
前項でも説明したように、精子が老化するタイプか否かというのは人によって異なるため、必ずしも全男性の受精能力に影響するとは言い切れません。ただ精子の老化によって、精液の量、精子の濃度、精子自体の運動率、正常な形態の精子が減少していくことがわかっています。精子濃度や運動率には変化がないという報告もありますが、加齢によって精液の量自体が減ってしまうわけですから、いずれにせよ受精する能力が落ちてきてしまうということができます。
また正常な形態の精子が減る原因は老化以外に酸化ストレスがありますが、それはつまりDNAの損傷した精子が増えるということでもあります。これにより受精してもDNA異常による初期流産や、子供の染色体異常も一部の疾患でやや増える傾向にあります。さらに海外で行われた研究ですが、父親の年齢が高いほど子供の統合失調症や自閉症が増加する傾向にあり、父親が40歳以上になると小児がんや1型糖尿病のリスクが高まることがわかっています。
精子が元気になる生活習慣を心がけよう
自分の精子が老化するタイプかそうでないかは自分ではわかりませんから、子供を望むなら、常に精子が元気になる生活習慣を心がけていきたいですね。基本的には健康的な生活を送る、ということにつきます。
もしもあなたが喫煙者なら、禁煙してみてはいかがでしょうか。タバコは男女ともに妊娠率を下げ、逆に流産率を上げてしまいます。また飲酒も適度なところで止めておきましょう。アルコールの過剰摂取は精液の質を低下させます。
食生活を見直し、しっかり睡眠をとることも重要です。炭水化物を過剰に摂取することは肥満につながりますので、肉や魚、野菜を中心に食べるようにしましょう。カロリーの過剰摂取や睡眠不足は酸化ストレスを増やし、精子を傷つけてしまいます。食生活を見直すことが難しい場合はサプリの併用も効果的です。
また精子は熱に弱いため、下着はブリーフよりもトランクスにし、膝上でPCを使うようなことは避けたほうがいいですね。
