【不妊の原因の半分は男性側で改善】妻の不妊治療開始前に僕が検査をした理由
不妊治療は妻の気持ちに寄り添うことから始めよう
結婚して子どもが欲しい、とぼんやり思い描く段階ではきっと男性も女性も同じかもしれません。でもそこから先、子どもを産んで育てていく上で年齢や人生設計に深刻に向き合い、覚悟を決めるのは女性のほうがどうしても先になってしまう、というのが今の日本の夫婦にありがちな形なのではないでしょうか。そしてそのことが夫婦間に大きな溝を作ってしまいます。
「子どもを作り育てていく」という事象に関して、夫は妻が立ててくれる計画に協力する形になりがちです。そして「最大限に協力している」状態が夫のやるべき最善の仕事だと思ってしまいます。でもそれはいずれか一方の問題にもう一方が協力するようなものではなく、2人で計画し、進めていくべき一大プロジェクトなのです。
この意味において妻であり母になる女性と「同じ立場」に立てるのは、この世に夫である男性だけなのです。男性であるあなたは妊娠・出産ということに関して知らないことだらけですよね。妻がいる場所と同じところに立ってみたい、とあなたが思ったとき、彼女が今どんな気持ちでいるか、体の状態はどんななのか、1つ1つがとても知りたいこと、集めるべき情報に変わってくるはずです。

妊娠をするのは女性だが、不妊の原因の半分は男性にある
今では不妊の原因の半分近くは男性に関わるものであるという事実に対して「当然そうでしょう、だって2人で一緒に子どもを作るんだから」という気持ちになりますが、かつてこの事実を知ったときはずいぶん驚きました。
多くの男性、特に精力が強めであるという認識が強い男性は特に、まさか自分に不妊の原因があるとは夢にも思わないでしょう。しかしWHO(世界保健機構)の調査から、不妊の原因の48%は男性が関わるものであるという厳然たる結果が出ています。この結果を6組に1組のカップルが不妊外来を訪れているという事実にトレースすると、実に男性の12人に1人は不妊症ということになります。
日本では不妊の原因は女性にあり、不妊治療とは女性が取り組むべきものであるという認識が男女共に強いように思います。この間違った認識が変わらない限り、女性は1人で悩み続け、男性は自分が抱えている問題に取り組むのがどんどん遅れていきます。まずはこうした事実認識から始めるといいのではないでしょうか。そして女性も男性も1人で抱え込まず、仮にいずれか一方に問題があったとしてもそれは2人の問題であることに変わりはありません。

検査の結果ではなく、検査を受けようという姿勢に大きな意味がある
僕の意識が変わったのは妻が不妊症であるという可能性について模索しているときでした。最初は自分にも可能性があることなどつゆほども考えず、辛い気持ちを抱えているであろう妻を思いやっているつもりでした。
そんなときにWHOの調査結果を知り、驚くと共になぜ今まで自分には関係ないと当然のように思っていたのだろう?と不思議に思いました。そして自分が先に不妊検査を受けてみよう、と思い立ちました。検査や問診の様子を調べてみるとそれはとても恥ずかしい内容でしたが、だからこそ彼女が同じような目に遭う前に自分がまずは勇気を出さなければ、と思いました。結局僕の後に彼女も検査を受けましたが、夫婦2人とも大きな原因は見つかりませんでした。
そこからは積極的に妊活用のサプリを探してみたりタイミング法を試したりし始め、妻と次に何を試してみようかと毎晩話し合いました。一緒にいろんなことを試してみるのはとても楽しく、妻の様子も一変して前よりも1人で考え込む時間が少なくなり、一緒にゲラゲラと笑うことも増えました。
結局僕のほうが欠かさず続けた努力と言えばマイシードを飲み忘れないように気をつけたことくらいでしたが、あるときふいに彼女が妊娠したんです。2人で一緒に考えて進めて来たことがついに実を結んだ!という喜びはとても大きなものでした。