男性に葉酸は必要？ネットの誤情報に騙されない！その真相とは？

葉酸が推奨されているのは妊娠3ヶ月目までの「女性」

ほうれん草の葉から発見されたビタミンB群の一種である葉酸ですが、多くの人々にとって葉酸と聞くとまず思い浮かぶのは「妊婦が摂るべき成分」ということではないでしょうか。
葉酸不足が続くと動脈硬化や神経障害など様々な危険を引き起こすと言われていますが、その中に胎児の神経管閉鎖障害があります。これを防ぐため2000年に厚生労働省は妊婦に向けて葉酸の摂取を勧告し、母子手帳にも葉酸の摂取に関する記述が付加されたそうです。その他にも葉酸はダウン症のリスクを減らす、流産のリスクやつわりを軽減する、母乳の出がよくなる、産後の回復が早くなるなどの報告があり、女性にとって葉酸は妊活中、妊娠中、そして出産後まであらゆる局面で助けてくれるスーパー成分であるということがよくわかりますね。
しかし近ごろは男性の妊活サプリに葉酸が配合されているものもあります。かたや男女兼用であった妊活サプリの男性版が販売されたと思ったら葉酸の代わりに亜鉛がプラスされていた、というケースもありますね。実際のところ、葉酸は男性にとっては必要なのか、必要でないのか、いったいどちらなんでしょうか。

男性は葉酸の推奨摂取量を満たしている？

妊活中および妊娠中の女性の1日の葉酸推奨摂取量は480μgと言われますが、これに対して男性はその半分の240μgです。そのため、女性と比べて男性は普通に食事をしていれば達成しやすい量であると思われがちです。
そもそも葉酸はどんな食材に含まれているのかというと、野菜に関しては枝豆、モロヘイヤ、ブロッコリー、芽キャベツ、ほうれん草、菜の花、水菜、アスパラガス、パセリなど、それ以外の食品で言うと、鶏レバー、うなぎの肝、ウニ、酒粕、日本茶、焼きのりなどです。ただし、葉酸は調理中に失われやすく、また含有量の約半分しか摂取できません。
葉酸を含む食材や食品、そしてそれらの含有量や調理後の摂取可能量を考えて食事を摂っていれば、240μgを毎日摂取することはそう難しくはないでしょう。しかし野菜嫌いの人や外食が多い人にとっては240μgどころかまったく摂れていない人もいると思います。そういう男性にとってはサプリで葉酸を摂るのはとても便利な方法であると言えますね。

男性が葉酸を摂ることのメリット

さて、葉酸が十分摂取できているかどうかを考える前に、男性にとっての葉酸のメリットを知りたいところでしょう。結論から言うと、妊活中の男性にとって、葉酸には非常に重要な役割を果たしています。
精子の中には健康な男性でも必ず数パーセントの染色体異常を持ったものが含まれているそうです。染色体異常を持った精子は受精しにくいため、この確率が高くなるということはつまり妊娠する確率を下げてしまうということになります。
葉酸にはこの染色体異常を抑える働きがあるのです。アメリカの研究チームの発表によると、葉酸を必要量摂取している男性は葉酸が足りていない男性に比べて染色体異常を持った精子の数が20〜30％低いという研究結果が出ています。妊活中の男性は積極的に葉酸を摂るべきということがわかりますね。これまで葉酸は女性にしか関係ないと思っていた人も、是非積極的に摂ることを考えてみてください。